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欧州遠征記 最終版

遅くなり時期を逸した感がありますが報告書の文章を引用しながら、欧州遠征の振返りです。本当にサッカーの指導者として転換期となる程、影響を受けました。細かな部分は書ききれませんが、その変化は大森学園高校サッカー部を見て頂ければ分かると思います。またより深くサッカーを知る事が出来ました。間違いなく本校サッカー部に還元出来ると思いますし、パワーアップした姿をお見せ出来るでしょう。関東大会では準々決勝で負けてしまいましたが、インターハイそして選手権で必ず巻き返します。

☆ユトレヒト戦 〇3-0 30×3
現地時間26日18時よりオランダ調整合宿での親善試合第一戦 vs FC Utrecht(ユトレヒト)戦がおこなわれました。
チームコンセプトを選手が良く理解し様々な挑戦をした一戦でした。
選手は全員が出場しました。


☆アヤックス戦 〇2-0 30×3
オランダ調整合宿親善試合第2戦は、アヤックス・アムステルダムと現地時間27日16時よりおこなわれた。
調整合宿の集大成は、終始豊富な運動量と執拗なチェックで緊張感ある30分x3本を終え2-0で終える事が出来た。
目標を全員が見つけ続けた合宿は、日本高校選抜チームらしさを備えて、明日から大会のあるデュッセルドルフへと移動する。


☆予選①スタンダール・リエージュ(ベルギー) 〇2-0 
デュッセルドルフ開幕第一戦は、午前中雨天で心配したものの試合開始迄には快晴となり20時15分日本高校選抜の大会が始まった。
大会初日で落ち着かない環境の中、選手達は各々自覚を持って試合に臨んだ。
結果、キャプテンと副キャプテンが1点ずつ計2得点をあげリエージュを退けた。
試合終わりダウン中にも納得のゆかなかったFW陣がサブグラウンドでシュート練習が続いた。
始まったばかりの長い一日を終え気持ちも新たに明日休養し明後日の2試合に臨む。


☆予選② エヴァートンFC(イギリス) △1-1
欧州発失点ながら貴重な同点ゴール=ドローでグループ同率首位,

コメント1(同点打後藤田選手)
1点ビハインドで終了間際でしたが絶対諦めない高校サッカー魂でがんばりました。荒木選手から良いボールが来てコースも見えていたので思い切り蹴り込み同点にできて嬉しかったです。が、久しぶりのゴールでどうやって喜んだら良いのかわかりませんでした。

コメント2(平野監督)
この同点引き分けはチームにとって大きいと思います。大きい選手への対応や中盤の対応の遅さから後手になりリズムを崩しPKを招いてしまいました。しかし、途中から攻撃サイドを変える指示にたいして素早く反応して最後迄諦めずに出来る力を発揮したと思います。 失点はしましたが負けてはいません。今日の修整をしっかりして、明日の2ゲームをがんばります。

☆予選③ヴェルダー・ブレーメン(ドイツ) △1-1
第3戦は・・小雨の中の対戦。グループ上位3チームがダンゴ状態、下手すれば4位にもチャンスありの混戦。
しかし、日本高校選抜は粘り強くがんばってます。泣いても笑っても多くて後3試合。この重みは各自が自覚するところです。
そして、第3戦も先制されながらすぐに同点としました。しかし、後一歩を踏み越える事が出来ずもがいているという所です。
こういう状況下で生き残れるかどうか、それが将来日本の高校サッカーを変えていく事になると信じて今日も記録送ります。

コメント1(同点打角田選手)
1点先制されていたので、積極的に攻撃参加しました。前に⑮荒木選手が見えていたしリズムよく返してくれたので私の一番得意なパ ターンになり自信をもって決めました。引き分けですが負けてはいません。ここを凌いで決勝トーナメントを目指します。

コメント2(平野監督)
勝ちきれませんでしたが、スタメンにフレッシュな2人を入れて戦いました。このチームは、メインとサブの差もなく出せばそれなりの個性を発揮してくれます。結局先制はされたものの2分後に同点にする力とコミュニケーション能力の成長を感じさせました。
ゴールを目指しているのにシュートが少ない事に不満はありますが、精度が問題ながらそれぞれトライはしています。そこを評価しようと思います。今日は大事な2連戦です、負けなかった事はとても大きかったと思います。

☆予選④レッドブル・ザルツブルグ(オーストリア)△1-1
第4戦も小雨の中の対戦となった。予選リーグ最終戦で、グループ2は大混戦となりこの一戦が注目された。
4連覇中のザルツブルグの意地もある。
結果は、1-1のドローではあったが負け無しの1勝3分でのグループ1位は初めてであり、5年ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。

コメント1(同点打後藤田選手)
先制されていて 荒れていたがいけると思ったのでペナルティーエリア目指して夢中でドリブルしたら 開けてゴールが見えた。予選リーグで2得点できて嬉しい

コメント2(副キャプテン宮本選手)
ポジション柄チームのバランスが気になり思い切ったプレーができていない。もっとアグレッシブに機動的にチームが動くよう工夫しないといけない。明日からはノックアウト方式だから思い切ったプレーをこころがけたい。

コメント3(平野監督)
チームと選手達は、このような状況下でとても良い経験を積み確実に成長している様に見える。確かに疲れもあろうが、それはお互い様です。明日からはトーナメントでは日頃日本で培った経験を生かして思う存分やってほしい。
先ずは粘り強く辛抱しながら頑張ってグループ首位で通過できた事を 褒めてやりたいと思います。

☆準決勝 ハダースフィールド・タウンFC(イギリス)〇2-1
準決後、同日に決勝があった為、監督・選手からのコメントはとれなかった。試合内容は前半から積極的なフロントプレスで相手の判断を奪い、終始圧倒する。「4分の1プレス」という共通認識が奪いどころを明確化させ、具現化出来ていた。2得点で前半が終了したがあと2~4点入っていてもおかしくない内容であった。後半は新たな選手を次々に投入、若干バランスが崩れた時間帯もあったが相手に主導権を渡すことはなく、得点差以上の快勝であった。

☆決勝 ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ) 〇2-1
準決勝後、チームは予定通りホテルに戻り昼食と最終ミーティングを行った。ここまで来たら優勝するしかない。大きな怪我人もなくここまでこれているのも大きい。これも毎晩遅くまで、選手の身体のケアをし続けてくれたトレーナーまたドクターの力は大きい。
試合は開始早々に先制されるも、失点直後に取り返す。この大会に来てレギュラーを掴み取ったツートップ荒木(長崎総科大附→駒澤大)と佐藤颯(日章学園→ギラヴァンツ北九州)の破壊力は欧州の大きいディフェンス陣にも十分に通用していた。日本のFWの新しい姿を見た気がした。佐藤の突破から得たPKを本人が落ち着いて決め逆転。中盤のプレッシングも効き、相手がロングボールできても生駒(鹿児島城西→横浜Fマリノス)と蓑田(青森山田→法政大)がシャットアウト。閉会式でも大会関係者から「優勝するべきチームが優勝した」と言わしめた。実に40年間の歴史の中で2度目の優勝を、初めて「無敗」で勝ち取った偉大なチームとなった。


bestMF賞_4SY6029が田部井選手が受賞
高体連サっカー専門部賞_4SY6079がフォルツナデュッセルドルフチームへ贈られました
日独友好賞_4SY6070が2位のボルシアメンヘングランドバッハへ贈られました
優勝トロフィー_4SY6189の受賞
_4SY6230マイヤー杯受賞しました。また飾って下さい。前回より立派です。

監督コメント
今回優勝できて大変に嬉しく思います。今回のチームは、キャプテン田部井選手と副キャプテン宮本選手のチームの軸が手を抜く事無く率先して汗を流しチームの皆を鼓舞しまとめた結果の勝利だったと思います。リーグ戦では前例がないくらいの緊迫した団子状態で、緒戦の2得点勝利が大きく影響しました。その他はチームコンディション特にアタッカー陣が不調で苦しかったのですがどの試合も失点してはすぐに追いつく展開で彼らの意思を強く感じました。準決勝と決勝は甦ったようにアタッカー陣が奮闘しチームのリズムを作りました。無論それには、各ポジションの選手達がさぼらず、諦めず、献身的にタフに何度でも挑戦してくれたお陰だと感じています。今回残念ながらGKの湯沢選手が出場機会 が無く常にスタンバイし戦況を見つめチームの中で落ち込む選手がいれば声をかけチーム全体がモティベーションを保つ事が出来ました。チーム18人が一丸となり高校サッカー約16万人の代表として誇りを持って大きなマイヤー杯を持ち帰ろうと思います。

選手コメント
生駒選手
優勝できて嬉しいです。無失点とは行かなかったですが常に最小失点でがんばれた事は大きいと思います。安定したDFを考えながらチームメイトと上手くやれたと思います。この経験を胸にこれから大きく羽ばたきたいと思います。

後記
見事日本高校選抜の優勝で第56回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会は幕を閉じた。平野監督から示された【「挑戦」~未来に追いつけ~】というテーマのもと、「4分の1プレス」や「コンセプトシュート」「勝ち切り方」などの方法論の浸透が優勝の要因であったと考える。だがその方法論を支える「ボールを奪う」・「ゴールを奪う」というサッカーの本質的な部分と方法論の紐づけが出来ていることが何より大切であることを実感した。日本人の良さを出しながら(俊敏性・協調性・勤勉性・運動量)、「1点の重み」「ずる賢く(良い意味で)」そして「球際の強さ」など日本に足りないと言われている部分の意識作りはある程度成功したのではないか。現に先行されても慌てずに試合を運ぶことができ、実際選手たちも後半に自信を持っていた。団長・監督のスタッフに対する心配りもチームに統一感を出させる大きな要因となったことを付け加える。この貴重な経験をしっかりと日本の高校サッカー(育成)に還元しなければならないと強く感じた。      以上